必修科目の履修システム
必須科目は13の授業内容からなっています。
必修科目のメリットはビジネス界で必要となる共通の知識を叩き込むだけでなく、クラスター(1年目に学校から指定される約60名の学生で構成されるクラス)単位で同じ時間割をあてがわれるため、クラスターメートと親密になれるということです。
すべての科目において、オリエンテーション中にExemptionテストを受けることで、Electiveを代わりに受けることができます。ただし、Exemptしすぎるとクラスターメートとネットワークできる重要なチャンスを逃すことにもつながるので、Electiveを取るか、ネットワークを取るかバランス感覚が必要になります。また、得意科目をあえて取ることで、英語の授業に慣れることも必要かもしれません。
*: 半学期のみ受講
必修科目の詳細(第1学期)
- Corporate Finance
- Financial Accounting (Accounting I)
- Managerial Economics
- Managerial Statistics *
- Strategy Formulation *
- Creating Effective Organization *
Corporate Finance
いわゆる企業金融の基礎的内容で、売上、working capital, capital expenditureなどから資金需要の予測、会社の事業環境・競争状況などから最適財務構造(common stock, preferred stock, bonds, short/long term debt比率)の決定、最適財務構造とビジネスリスクを考慮した資金コストの計算、そして最後に上記すべてを踏まえ会社のvaluationを行えるようになるというのが目的。M&A, LBO, MBOなどに直結する内容。授業はほぼすべてケースで、授業前にすべての予測・計算を終え結論をだし、レポートにまとめて提出した上で授業中皆で討議。扱うケースはGeneral Mills, American Home Products, Tiffany & Company, American Chemical Corporationなど。Finance出身ではない人には一年目の前半の山場になる科目といえる。
Financial Accounting (Accounting I)
ビジネスの基本言語である財務会計全般を学習。基本的な簿記的な仕分けからP/L、B/Sを完成させるところまでを前半で扱い、後半はもっとつっこんだ話題、EPS(一株利益)、連結財務諸表、税効果会計、金融商品・ストックオプションの会計処理などに関し研究を行う。企業のマーケットに対する情報開示に関しては昨今問題が多い話題でもあり、倫理的な側面からも会計の原理原則を学ぶことができる。
Managerial Economics
ケースはほとんどなくレクチャーベース。内容はミクロ経済学。ゲーム理論、需要・供給、価格決定、限界費用・効用、eコマースの経済学など。限界効用、サンクコストなどビジネス上必要となる意思決定の仕方について非常に有用な視点を提供。最後にCorporate financeとの共同プロジェクトで、実際の企業を一つ選び、経済・需要・競合状況、技術革新などすべてを総合的に考慮し将来キャッシュフローを予測、またその企業の資金コストも計算し、その会社のvaluationを行う大型プロジェクトがある。
Managerial Statistics *
統計学といいつつも、学ぶ内容は金融・経済の基本的言語としての確率・統計学の実際のビジネスへの応用。基本的にリスク、サンプル分析などが関わる分野すべてに関係し、授業で扱った内容は株価のボラティリティを元にしたオプション価格設定、顧客群の需要変動を元にした最適在庫数量の決定、確率論・サンプル分析を用いたmarketing analysisの基礎、共分散を用いた市況商品価格ヘッジ、回帰分析を用いた為替リスクヘッジやマクロ経済分析など。また日本でも採用企業が増えているVaR(value at risk)に関しても扱う。授業は皆が予習で内容を理解している前提で問題演習と解析が中心。約2割がケーススタディ。
Strategy Formulation *
授業はほぼすべてケースで、事前にケースの研究と戦略論の理論的枠組みに関する論文・記事の要約提出が要求される。生徒が挙手し、教授に指名されたものが発言するという形式で教授は話を誘導するのみでほとんど講義は行わない生徒主導のコース。内容はstrategic resources, five forces, competitors’ responseなど。最近のトピックはBODY SHOPの米国展開、BEN&JERRYの日本マーケット進出、コカコーラ対ペプシコーラのゲーム理論的解釈など。Midtermはグループでのcase analysis論文(約30ページ)提出で、チームワークが要求されるところ。
Marketing Strategy *
毎回ケースをもとに「そこにmarket opportunityはあるか」、「あるならばどのような戦略で攻めるべきか」の二点に絞って議論。マーケットサイズ及びその成長度合いの決定、Economic value to customers, Life time value of customersなどの概念や、競合、自社の強みなどすべて数値・ファクトベースで議論を進める予想外にquantitativeで、非常に学ぶところが多い。マーケティングというと「コマーシャル」を思い浮かべる人には新しい発見が多く、最も企業の全体戦略に近い科目といえる。
Creating Effective Organization *
いわゆる組織論のコースで、ほぼ毎回ケースをもとに「何がギャップか」「何が原因か」「どうすれば解決するか」「どう実行するか」の4ステップのプロセスをcase中心に演習。非常に理論立てにくいソフトな科目であるが、教材のケース・課題の読み物は考える素材としては最適。コースの特徴上、negotiationの課題や、組織変革ゲームなどグループで行うシュミレーション的な課題が多く興味深い。
必修科目の詳細(第2学期)
- Operations Management
- Global Economic Environment
- Decision Model *
- Managing Marketing Program *
- Managerial Accounting (Accounting II) *
- Leadership *
Operations Management
(メーカーに限らず金融機関なども含めた)企業のoperationに関わる問題をどう解決するかに焦点をあてたコース。「ゴール」なども題材に使いながら、原料納入・生産・製品需要などに様々なリスクを抱える中で生産能力、ライン構成、最適在庫をどうするかといった問題を、統計・微積分などを駆使し解決。SCMや品質管理など話題も幅広く、いわゆる「生産管理」というイメージとは程遠く、昨今脚光をあびているロジスティックス面に関しても非常に有益な視点を提供。日本がこの分野で貢献する部分も大きく(トヨタなどのcaseも多い)、macro経済学や一部financeのコースのように日本の肩身が狭くない点もよい。
Global Economic Environment
いわゆるマクロ経済学のコースで、端的に言うと様々なショック要因、政治の動きが経済全体:金融市場、消費活動、企業活動、金融政策、財政政策にどのような影響を与えるかのメカニズムを学び、businessの立場からどう意思決定すべきかを研究。グリーンスパン議長になったつもりで様々なデータをもとに、Fed (米国中央銀行)誘導金利をどう設定するか、あるいは失業率統計の発表を受け債権、株式価格がどう変動するかを予想したり、caseの課題も興味深いものが多い。一見ビジネス上の意思決定とはやや離れている印象のあるマクロ経済事象が、いかに密接にマネージャーとしての意思決定に重要かを思い知らされるコース。
Decision Model *
基本的なコンセプトは確率・統計理論を用いて、management, finance上の意思決定を数値化し、モデルを組んで最適化したり、様々な可能性をシミュレーションして意思決定できる形まで加工するというもの。与えられた為替、stock, bond等のリターンとボラティリティからどのオプションや先物のポートフォリオがリスクを最小化できるか、過去の売上・価格・需要変動から、どのタイミングでどの価格をつければ在庫リスクを最小化しつつ期待利益を最大化できるかなど。Financeの世界も含め現実の世界は各要素を数値化するのが困難なケースが多いが、それを割り引いても非常に有益。
Managing Marketing Program *
Marketing Strategyで学習した競合・自社・顧客の3C分析を行ったあと、じゃあ実際どのようなマーケティングプログラムを作成して訴求していくかに関するツールを修得するためのコース。トピックとしてはConjoint分析、経済的、心理的側面も考慮した商品の最適pricing、CRM、メディア・チャネル・プロモーションに関する意思決定など。統計学で学んだ回帰分析をよく用い定量的な部分も多く、また最新のon-line marketingに関しても扱う。製薬会社のマーケティングプログラムを実際に作成して、4週間ほどかけてシミュレーションを行う大型プロジェクトがあり、実際のマーケティング活動に関する市場の反応を見つつ、学習した成果を応用することが出来る。
Managerial Accounting (Accounting II) *
教授自身が「インセンティブに関するコース」と定義する、企業内でのオペレーションの最適化・評価に関する意思決定を行う際の基礎となる管理会計に関して学ぶ。現在の複雑化した企業内では権限の委譲は必須であるが、各マネージャーが追求する部分最適の合計が必ずしも企業の全体最適に結びつかない事を認識した上で、両者を同一化させるためには入念なインセンティブシステム作りが必要。具体的には個々のsub-organizationを管理する際にその評価基準そのもの(ROEで評価するのか、あるいはnet profitを用いるのか、はたまたresidual incomeやEVAを見るのか)によって各マネージャーの行動(インセンティブ)がどう変化するかなどを生徒のロールプレイシミュレーションなどを通して学習。またABC会計、移転価格(transfer pricing)などをどのように設定すれば、企業全体の活動が最適化されるかも研究する。
Leadership *
人の性格・特質を的確に判断するためのツール、他人の自分に対する印象のコントロール法、意思決定の際に陥り易いワナ、negotiationで活用すべきテクニック、careerの組み立て方などリーダーに必要な様々な側面的能力に関してcase中心に学習。またリーダーとして成功するために最も必要な能力は自己分析の的確さにあるという信念のもと、他者の自分自身に対する評価(いわゆる360度評価)を参考にしつつ自己分析を進めていき、最後に論文を書き上げる。以前の会社上司・同僚、及びグループワークのチームメートのシビアな評価をもとにし、自分の知られざる一面を認識したり、ビジネススクールと仕事の場で自分の行動、自分に対する印象がどう変化したかなど知ることができ、非常に楽しいコースでもある。
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