インターン経験談: 海外経験のない日本人による米国での就職活動について

私のアメリカでの就職活動の経験にユニークさがあるとするならば、これまでの人生・キャリアを通じて、海外経験がほぼ皆無だったということです。折りしも就職難の時期に重なり、一体どんな企業が英語も不自由な日本人を採用してくれるのかと、常に疑心暗鬼になりながらの就職活動でした。これから出願を考えている方の中には、私と同じような立場の方も多いように思います。

 

就職活動を終えてみての率直な感想は、「海外経験の無い日本人でも十分アメリカの就職市場で戦うことはできる。但し、自分のバリュープロポジションを良く理解した上で、人より早く動けば」というものでした。振替ってみると、私が運よくアメリカでのサマーインターンのオファーをもらえた理由は大きく3つあるのではと思っています。

 

  1. “バカ”になって、徹底的に学校の就職支援リソースを活用した: とにかく文字通り右も左もわからない状況だったので、Career Management Center という就職プロセスをサポートするリソースを徹底的に活用し、リクルーティングのタイムライン、企業説明会での動き方から、インタビューで名刺を渡すタイミングまで何もかも教えてもらいました。実はこういうリソースを活用している人は意外に少なく、担当者も暇をしている時間が多いようなのです。なので、どんな初歩的な相談でも非常に親身になってサポートしてくれます。

  2. 出願段階ではあまり業界を絞りすぎずに、自分の興味に近い業界・企業に幅広く出願した: 企業説明会への参加や出願の段階では、自分の時間の許す限り幅広い企業をターゲットとすることをお勧めします。まずプラクティカルにはアメリカでのPermanent ワーキングビザを要求する企業が多く、ビザ無しの私のような学生を受け入れてくれる企業はそもそも数が限られているということです。加えて、自分と企業/業界にどれくらいフィットがあるか(向こうが自分にどの位興味を持ってくれるか)ということは、実は1st ラウンドインタビューが始まってからでないと実感できないからです。企業説明会の段階では1対nの関係なので非常にナイスに接して頂けて勘違いをしたりもしますが、インタビューに進むと限られた時間内での1対1の関係になるので、相手が自分にどれくらい興味を持っているのかを鮮明に感じることができます。

  3. 1st round インタビューの段階で、どういう企業が自分に興味を持っているかを理解し、2nd round インタビュー以降は、思い切ってヘルスケア関連企業に特化した: 2nd ラウンドインタビューは、只でさえ授業が忙しい中でインタビューの日程がやり繰りできなかったり、どうにかやり繰りできても十分な準備ができなかったりと、非常にタイムマネジメントに苦労するフェーズです。ただ、逆の見方をすると、ここで十分な時間を準備に掛けて望めば、オファーをもらえる確率はかなり高くなると見ることができます。私は1st ラウンドインタビューの過程で、ヘルスケア関連企業が自分に最も関心を持ってくれていることに気づきました(比較的業績に余裕があるので、実務経験がある人だけでなく、私のようなコンサルバックグラウンドの人間を社内で雇う余裕と動機がある)。そこで思い切って、2nd ラウンドインタビューはヘルスケア関連企業以外はお断りをし、ヘルスケア企業との面接準備に十分な時間を掛けた結果、運よくオファーにこぎつけることができました。

 

海外経験の乏しさに鑑みると、周りの学生と同じ事をしているだけでは、どうしても歩が悪くなります。周りの学生がしていることは最低限し、その上で彼らと自分を差別化するために何をすれば良いかという頭の使い方をすれば、そんなに現地での就職活動はハードルが高いものでは無い様に感じます。周りの(アメリカ人)学生を見ていると、只でさえ忙しいMBA生活の中で、何とかリクルーティングの時間を捻出し、周りの人と同じ就職活動をして満足している学生が圧倒的に多いように思います。その意味では、周りから差別化“せざるを得ない”我々日本人は、実は有利な立場にいるのかもしれません。

 

 

[就職活動の成果]

ニュージャージーのヘルスケアカンパニーから12週間のサマーインターンのオファーを頂く。その他、幾つかのヘルスケア関連企業とのインタビューが進んでいたが、こちらは全てお断りさせて頂いた。

 

[バックグラウンド]

外資系経営コンサルティング会社 東京オフィス4年半、特に大きなインダストリーフォーカスはせず、幅広い業界を経験。海外経験は、幼少時にフランスに1年滞在。

 

[アメリカでのインターンを志望した動機]

多国籍企業の経営者になることがキャリアゴールである一方、これまでのキャリアは東京に限られていたので、アメリカでの実務経験を積む必要性を感じた。アメリカでのインターンを足がかりに、アメリカでのフルタイムのオファーを狙うことも視野に入れていた。

 

[大まかなタイムライン]

10月-11月

各企業のオンキャンパス/オフキャンパスの説明会に参加し、各企業のプログラムを理解すると共に、社員とのコネクションを構築

11月

コロンビアのリソース(Career Management Center)を活用しながら、レジュメのブラッシュアップ・ターゲット企業の絞込み

11月-12月

Career Management Centerや友達を活用しながらカバーレターを作成し、ターゲット企業25社に出願

1-2月

Invitationを頂いた企業と、1st round/2nd round インタビュー

2月上旬

上記のヘルスケアカンパニーからオファーを頂く

 

(執筆者: A, Class of 2011

 

 

インターン経験談: 米国でのサマー・インターンについて

NYという立地は、米国でのインターンを考えられている方にとっては大きなプラス要素です。授業の合間や放課後ちょっとした時間に、Alumni或いはその他NYで働いている知合いを訪問し、確かなネットワークを作ることができます。学期中のパートタイム等を通して、サマーインターンシップや卒業後の就職に繋がる場合も少なくありません。

個人的には日米で投資銀行勤務をしていた為、投資ファンドに興味があり、夏を半分に分け、前半はSan Franciscoのmutual fund、後半はNew Yorkのhedge fundに勤務しました。Alumniのネットワーク及びCareer Resource Centerの助けを借りる形で、これらのジョブに辿り着きました。これからインターンを考えられている皆さんには、学生という立場を最大限に生かす形で、様々なことにチャレンジされることを是非お勧め致します。もちろん長期旅行等、今しかできないことをすることも重要です。

(執筆者: MS08


 

インターン経験談: 米国でのパートタイム・インターンについて

僕を含めて多くの同級生がパートタイムでインターンをしていました。というのも、学校からMid Townまでは電車で20分程度であり、かつ金曜日は学校が終日休みのため、定期的なインターンをスケジュールするには、とにかくコロンビアは便利なのです。

 

コンサルティングバックグラウンドの僕は、MBAでの授業構成は、マネジメント系の授業がメインで、それに加え、ファイナンスの基礎コースというのが大まかなパターンでした。ファイナンスのある程度の知識を身につけることがMBAにおける目的でしたが、ファイナンスのことを授業を通して理解しようと努力はしてみたものの、どうも授業だけではしっくり来なかったので、どうせならOJTでしっかりとファイナンスワールドを経験してみようと思ったのがインターンのきっかけでした。

 

個人差はあるのかもしれませんが、僕はOJTが体に合っています。そもそも、その道のプロフェッショナルに囲まれて、分からないことはすぐに誰にでも聞ける場を得られるというのは学びの場としては最高でしょう。

 

平日の空き時間を使ったインターンというのは、企業側にとっても悪い話ではないのです。安い給料で、優秀(かもしれない)学生を使えて、さらに、もしかしたらリクルーティングもかねることができるというのは、企業にとって十分に大きなインセンティブになるようです。なので、インターンのお誘いメールは、結構、頻繁に来ます。日本人を対象としたものでは、JBAを通したメール、その他、MBAの生徒に対してメールで来るものもあれば、就職ウェブサイトに掲載されるものなど種類は数多くあります。

 

業種は、ファイナンス系が多いかと思います。特に企業規模としては小さな部類に入るHedge FundやVenture Capitalが多いでしょうか。これは、いわゆる大企業においてはリクルーティングプロセスが確立されていて、インターンを夏に絞っているからかも知れません。

 

もちろん、夏休みを利用したインターンも業界/企業を知り、知識/経験を深めると言う点で非常に重要な機会だとは思いますが、NYの立地を生かしたフレキシブルな平日インターンというのも、コロンビアMBAにおける大きな機会の一つだと思います。

(執筆者: TI08