Learning Team

CBSのラーニングチーム制度に関して説明します。

 

CBSでは、1年目の前半は全科目、後半は2科目のみコア授業(免除した場合は選択科目を取得することも可能)になっており、それらのコア授業では同じラーニングチームと様々なグループプロジェクトに取り組むことになっています。ラーニングチームメンバーは学校が予め決めており、オリエンテーションの初日にPeer Advisorから発表されます。私のクラスは「動物」がテーマだったので、チームメンバー発表当時は皆さんに小さな紙が配られ、その紙にある動物の鳴き声や格好を真似しながら、同じ鳴き声を真似しているメンバーを探しに行くというゲームでチームメンバーとの初対面を果たしました。どのグループもだいたい5名~6名で、バランス良く異なるバックグラウンドから構成されています。

 

私のグループは私自身を含め全部で5名でした。一人目は大学学部時代にコンピューターサイエンスを学んだ後、オペラ歌手に転身し、今まで約10年程度ニューヨーク及び欧州の国際舞台でオペラ歌手として活躍してきたアメリカ人です。その方は奥様のお父様がノーベル平和賞受賞者であるため、その家族から社会貢献に対する刺激を受けてビジネススクールに来たとのことです。ユーモアあふれる非常に優しい方である一方、理系のバックグラウンドからくる細かさもあり、課題の完成度を高めてくれる貴重な存在でした。二人目はバンカーで、ロンドンのゴールドマンサックスでM&A案件を主に手掛けてきたスペイン人です。彼は金融のバックグランドから数科目免除したため、彼とはソフト系の科目で一緒になることがメインでした。彼は課題に対して非常に真面目で、GSのアナリストとして培った力を活かしてレベルの高い資料を常に作成してくれました。三人目は今までワシントンでロビイストを務めたのち、アルコアに転職したアメリカ人です。彼はロビイスト時代に政府への政策提言等において多くのフォーマルな文章を起草してきた経験から、文章におけるスピード、表現力は抜群でした。また、国際政治に大変詳しく、日本・中国等のアジア諸国に対しても文化のみならず外交政策等にも常にアンテナをはっていました。四人目は女性で、入学前まではEconomic Advisor及び訴訟関連分野で活躍してきたユダヤ系アメリカ人女性です。彼女は常に冷静で、議論の途中に鋭い指摘をしてくれる重要な役割を果たしてくれました。一見少し話しにくい雰囲気があるかもしれないのですが、実はとても温厚な人で、クラス内でも一番仲良しの女性です。最後に私は金融バックグラウンドでかつアジアからなので、上記のメンバーと合わせて全体的にバランスの良いチームだったと思います。もちろん、他のグループも同じように国籍・バックグランドのDiversityがあるように構成されています。

 

このコアのラーニングチームメイトとは半年以上ほぼ毎日のように会ったり、メールでやりとりをするので、自然に仲良くなっていきました。入学して1カ月ぐらい経つと、お互いの強み・弱みや自分の貢献すべき部分が明確になってきて、お互いを尊重しつつも助け合う良いチームワークができるようになっていたと思います。振り返ってみると、他のチームメンバーもよく言うことなのですが、自分のラーニングチームはとてもFunctionalだったということです。つまり、どの科目に対してもその分野に強い人がいて、その人がリードを取りつつ、他のメンバーが学び、かつ質の高いアウトプットを出すという効率的なチームワークができていたと思います。ラーニングチームとの時間はいつも刺激的でありつつもリラックスできて、彼らとのグループプロジェクトがなくなった今も定期的に会ってご飯を食べたりしています。先日も1年目の終了を祝うためにみんなでメキシカンレストランに集まり、選択科目に関する感想や学校をどうよりよくしていくかに関する意見交換をしたりしました。来学期になると毎週集まろうという計画まで出てきました。

このように、コア授業のラーニングチームメンバーとは特に近いため、深い友情関係を築けると思います。また、コア授業の際に築いた信頼関係をもとに、選択科目でも元ラーニングチームメンバーと組んだりするケースも少なくありません。もちろん、選択科目になると、チームを組むのは自由になりますので、他のメンバーと組むことで異なるチーム経験を積むことも重要ですが、そのチームの中に一人でもコア授業の元チームメンバーがいる場合は安心感が増したりします。Elective授業を選択する際も、お互いどの授業を取るかを情報交換し、一緒の授業があれば一緒に組もう!といった雰囲気でした。

 

ラーニングチームメンバーはMBAで得られる宝の一つだと思いますので、是非これから入学される皆さんにはチームメンバーとの触れ合いを楽しみつつ、今後にもつながる友情を築いていってほしいと思います。